今日の櫻田

毛穴すっきりパック〜なぜ角栓を取ると毛穴の状態は悪化するのか?〜

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10代の頃から毛穴すっきりパックや、アンテリージェシーバムクイックリムーバー(知ってる人は知っている!2液に分かれてるタイプでわりと高級品)等、「剥がす」系のスキンケアを重ねてきた猛者、櫻田こずえです、皆さまごきげんよう!

さて、本日は「なぜ角栓を取ると毛穴の状態は悪化するのか?」について、根本的な理解をして頂きたいと思います。

こちらの続きです:毛穴すっきりパック〜角栓を取っても意味がない、むしろ取るべきではない理由〜 

なぜ角栓を取ると毛穴の状態は悪化するのか?

なぜかをサクッと言うならば・・・

・毛穴は肌
・角栓を取る時に、もれなく肌にダメージを与えている
・肌は肌自身が再生産していくもの
・肌にダメージを与えると、ダメ肌が再生産される
・ダメ肌がダメ毛穴をつくる

そういう「ダメ毛穴再生産スパイラル」にはまっていくからです。

毛穴を小さくしたい、閉じさせたい!という考え方が、このスパイラルに導いているんですよねぇ。

毛穴すっきりパックをした時、肌に何が起きているのか?

毛穴すっきりパックした肌って、すぐに真っ赤になりますし、やった後ボロボロですよね・・・

↑よい子は真似しないでください

これが「肌を傷つけてるな」というのは、なんとなく感覚で理解できますよね。

肌の表面を剥がすとなぜ肌がキレイになるのか

剥がすタイプのパックに限らず、ピーリングやスクラブ、ゴマージュ等は、肌の表面を物理的に剥がした削ったりします。

そうすると、角栓が取れたり(肌が薄くなる=毛穴が浅くなる=取れやすくなる)、「生まれたての肌」みたいな、柔らくなめらかな肌が出現するので、「これはなんと素晴らしいアイテムだ!」と、その効果に我々は狂喜乱舞します。

パックして保湿した後、鼻を触るとツルツルで、ほんと嬉しいですよね。

角栓が取れ、乾燥や外界の刺激に触れたことのない、ウブな肌が露出するのですから、はい、本当に肌は滑らかになっているんです。

それの何がいけないんだ!

剥がされた後に出現した肌は赤ちゃん肌!それいいんじゃないの!?

いえいえ、突然表舞台に立たされた「まだ生まれるはずじゃなかった肌」は、全く嬉しくない、超迷惑。

毛穴すっきりパックをした直後の、保湿前の肌。

せっかく外側の皮膚に守られて、最前線に立つ準備をしていたのに・・・そんな肌はいわゆる未熟児のようなもので、肌の潤いを保ち外界からの侵入を防ぐ「バリア機能」も低いため、保湿力が低く肌は乾燥し、炎症も起こしがちになります。

まだ生まれる準備すらできていない肌が露出してしまうのです。

バリア機能等の参考記事:毛穴と美肌と保湿 2. 5分で分かる肌の役割と構造 

肌ってどっから生まれてくるものなの?

肌は何層かのレイヤーになっていて、下(肌の奥)から徐々に準備(保湿力などを高める)をしながら、最後は最前線(肌の表面)に立って外界の刺激と戦い、最後は垢となって剥がれていく、ということを繰り返しています。

これが「ターンオーバー」ってやつですね。
ターンオーバー

#28日は超目安です
#これはモデルであり、平べったい角質の層はもっと何層にも重なっています。

肌の表面を剥がすということは、このターンオーバーを急かせるということになります。

お肌の全体像はこんな感じ

皮膚の構造

ターンオーバーを促進して何がいけないって言うのよ!

よく、年を取るとターンオーバーが停滞するって言うし、急かした方がいいんじゃない?って思われるかもしれません。

ちょっと頑張ってもらって、汚い毛穴をごっそり入れ替えてくれた方がいいじゃないか!

いや、そんな単純な話ではなくて、ターンオーバーの過程で「表に出るための準備」をしてるのに、それを十分にできていない肌が表面に出て来てしまうんです。

具体的には、バリア機能が低い、保湿力がなく乾燥した、炎症しやすい肌が・・・ダメ肌の出現です。

こうして肌を劣化させてまでも、肌を剥がしたいですか?

参考:5分で分かる角質培養

しかも、単に劣化させるだけじゃないんです。

肌の緊急事態〜角化の亢進〜

肌の本来の機能は、外界から体内を守ることです。

肌がダメージを受けたり、炎症が増えてバリア機能が衰えると、外界の悪い奴らが体内に侵入してくる可能性が高まるので、肌の監視員が「緊急事態発生!」とサイレンを鳴らします。

すると、どうにか肌のバリア機能を高めようと、ターンオーバーを急がせて、バリアとなる角質層を分厚くしようとします。

質より量!

と、急いで大量に、劣化した肌を生産しようとします。

これを「角化の亢進」と呼ぶそうです。

#ちなみに、皮脂の過剰な分泌も角化亢進の大きな要素です。だから、同じケアをしていても、亢進する人としない人が出てきます。思春期のホルモンバランスの異常で皮脂分泌が過剰になり、そこからニキビを含む毛穴の悩みが始まり、過剰なお手入れをし・・・ダメ肌再生産スパイラルにはまるのが、典型的なパターンです←櫻田

ハードなケアを繰り返すと、実際、本当に毛穴の周りが盛り上がったようになります。

連なる姿は「毛穴山脈」

そしてそれは、レーザーで削っても削っても、治りません、相当お金も時間もかけましたが治りませんでした←櫻田

治りにくくなる原因は、再び美夏先生にご登場頂きましょう。

治療で一番難しいのが、いじりすぎ、こすりすぎで、傷跡のように周辺が固くなってしまった毛穴です。

どうしても色々ご自分で試された後の毛穴は、長期間外力がかかり、その場所に炎症がおきています。

毛穴周辺に炎症惹起物質や白血球などがあつまり、その結果として線維性の固い傷になっています。
美夏クリニック:毛穴の治療の最近の記事
櫻田の美夏クリニック通院記

よく、歳を取るとターンオーバーの速度は遅くなるから、適度にピーリングやスクラブなどをしてリフレッシュすべき、という話を聞きます。

#その方が、ピーリング剤とお高い保湿剤がセットで売れますから

もちろん一理ありますが、この記事を読むような方は「お手入れし過ぎ」で、肌はターンオーバーを急かされて、緊急状態になっている方が多いと推測します。

ターンオーバーを促進することよりも、まずは肌に落ち着いてもらうことの方が先決です。

ちなみに、ニキビなどの周りも、常に起きる炎症から「角化の亢進」が進んで毛穴をふさぐので、それを落ち着かせるような薬がニキビ薬として使われています。(ディフェリンなど)

そのことから、ディフェリンを使った治療も一時期していましたが、もう、できちゃった山脈はびくともしなかったわっ←誇るな

ディフェリン記事一覧

じゃあ、優しく角栓だけ取ればいいじゃない!

エステだろうと、美容皮膚科だろうと、ふやかしても、やさしくしても、肌に触れずに角栓だけをピンセットで引っこ抜いても、肌には何かしらのダメージを与えています。

櫻田は”この技術”が世界一上手だと自負しておりますが、それでもやっぱりピンセットが肌に触れてます。

たとえ本当に角栓しか触っていなくても、毛穴の中の肌は確実にダメージを受けています。

なぜなら、できてしまった角栓は、毛穴の中の皮膚と密着しており、それを無理やり取り除くことは「お肌を一枚剥がしてしまう」ことになるからです。

あ、毛穴の中も「肌」ですから!

また、お肌を温かい水蒸気でふやかした状態で吸引をすることは、無防備になった(剥がれやすくなった)肌を吸い上げ、吸引機の淵のカップで蹂躙することになりますから、これも、ほんとオススメしません・・・(一瞬で引き上げても一緒ですからねっ!)

エステや美容皮膚科で「ガラス吸引機」が頻繁に使われますが、あれやると真っ赤になりますよね?

真っ赤になるって、肌が痛いと言ってる、サイレン鳴らしてる証拠です。

そのダメージを超えるメリットがあると判断されての施術だと思いますので、これはもう、価値観です。

美容皮膚科の場合、その後角栓に酸を流し込むとか、カーボンピーリングする場合、効果が高まるという目的で施術されます。

ま、それやっても結局毛穴は綺麗にならなかったけどさ
スポッツピーリング経験談
ダイヤモンドピーリング&カーボンピーリング&フラクショナルレーザー体験談

どんな方法であれ、角栓を取ることは、お肌を傷つけること=ダメ肌が再生産されると肝に銘じておきましょう。

サッポー先生のお話もどうぞ!
サッポー先生座談会9・角栓を抜いてはいけない理由

じゃあ、どうすればいいのかはまた書きますが、方向性としてはこういう感じです。

参考:5分で分かる角質培養

次回は、メンタルの部分で、毛穴すっきりパックをおすすめしない理由をお伝えします。

もうね、パチンコとか、アルコールとか、麻薬とか、そういうレベルだと思うのです、我々の「すっきり!」依存は。

そういう意味で、絶妙なネーミングですね、毛穴すっきりパック!←褒めているんだろうか?