大変久方ぶりの角質培養記事の更新になりますが、培養家の皆さま、お肌は順調に育ってますか〜?
最近、毛穴ブログで宇津木式スキンケアの記事(こちら)を書きつつ、角質培養の復習などしていたのですが・・・いろいろと調べると混乱することがあり、「肌断食系スキンケア理論」を自分なりに整理してみることにしました。
#櫻田の独断と偏見による分類です。
最初に一つ申し上げておきたいことは
正解は一つではない
・その人の価値観←これ大きい
・その人の肌質体質
たとえ医学や化学知識をベースにしていても、そもそも科学は完璧ではなく一つの見解であって、また、誰にでもどんな状況でも正しいことはないと思います。
今回の企画では、そもそも櫻田は素人ですし、どれが正しいのか?を判定するようなものではなく、似たように見える理論の違いに焦点を当てて、なぜ違うのか考えてみたいと思っています。
宇津木式(肌断食)・非接触皮膚科学・サッポー美肌塾・角質培養(垢ため)
今回比較対象とする肌断食系スキンケア理論の4つ
1.宇津木式(肌断食)
2.非接触皮膚科学(秘密の化粧品)
3.サッポー美肌塾
4.角質培養(垢ため)
これらについて、著書やサイトを読んだ素人櫻田が勝手にまとめます。
・「誰が」「何の目的」で発している情報なのか
・ざっくりとした全体像
その後、気になる論点について、それぞれのスキンケア理論の主張の違いを見て行きたいと思います。
1.宇津木式スキンケア(肌断食)
発信者と設立時期
宇津木龍一
・クリニック宇津木流(しわ・たるみの手術が専門)医院長
・宇津木龍一著書一覧(amazon)
日本で最初のアンチエイジング専門施設・北里研究所病院美容医学センターを創設した、アンチエイジング治療専門の美容形成外科医。そこの美容ドックなるものがメディアで紹介され、36,750円という価格にも関わらずウン年待ちという人気だったそう。
そこでは、測定したデータを基に、肌断食的なスキンケア指導がされていたようで、その集大成が2012年に出版された本「「肌」の悩みがすべて消えるたった1つの方法」かと思います。ですが、既に2007年ご自身のクリニックを開業されていて、北里の美容ドックの宣伝本ではなさそうです。
著書にはさり気なくしわたるみ手術の営業的な文章が入っています。確かに本による知名度で顧客は増えますが、スキンケアと手術はダイレクトには関わらず、「売るための情報」になっていないと思われます。(一部特定の日焼け止め等オススメしているが)
ちなみに、ご自身のクリニックはガチの高額美容形成@帝国ホテルタワー で、肌断食とは別世界〜。
参考:美容経済新聞「患者満足第一」方針に!フェイスリフト専門・クリニック宇津木流
さらに、北里研究所時代から「美容」という観点で多数の患者の肌に直接接し、患者に実践してもらってフィードバックを受けた上で、医師が作った理論、というのも説得力があります。
2012年に上記の本を出版され「10年以上提唱しつづけてきた」ということなので、北里のセンターを設立された1997年頃から提唱されていたと推測します。
宇津木式スキンケアとは
基礎化粧品を一切使わず(保湿もしない)、水で洗うだけ。
どんな美容液も太刀打ちできない、肌が本来持っている天然の保湿力を守るには、スキンケアをすべて断つことが必要。
クレンジング、洗顔フォーム、化粧水、乳液、クリームは使わない。ファンデーションは止めて部分メイクだけ。日焼け止めも極力使わず、水洗顔。
(純せっけんやワセリンなどで緊急時対応)
そうすれば肌の悩みは解決し、かならず美肌をとりもどす日が来る、とのことです。
肌断食
なお(肌断食)としたのは、「肌断食」という本があり、宇津木先生が院長を勤める北里研究所病院に通院しながら、宇津木式を実践された記録のようなので(著書には宇津木先生への謝辞もあるそう)
宇津木先生ご自身は、その著書の中で肌断食とは明記されていないのかなと思いますし、他にもこの言葉を使っている本や専門家は多いし、誰が最初か不明ですが。
2.非接触皮膚科学(秘密の化粧品)
発信者と設立時期
牛田専一郎
・自身で立ち上げた 非接触療法研究会 シニアフェロー
・株式会社マーケットスタイルの社員(現在もそうだと推測)
病院・医院のオリジナル化粧品をOEMで作る事業がメインの会社
参考:2008年メルマガ第150号 牛田の本業とは?『メルマガの舞台裏』の秘密
2005年に立ち上げられた「秘密のプロジェクト」が原点。
「一般の人々に理解され、支持されるものなら、病院でも理解・支持を受けることができるはず。」
「一般のお肌が弱い人、過敏な人にも使ってもらえる皮膚生理に適った化粧品を作ろう。」
ご自身のオリジナル商品オンラインストア(サウンドスタイル)を売り、本業に活かすための情報発信ではあるようです。
個人的な印象ですが、牛田さん個人の裁量でかなり自由に活動されているように思い、化粧品業界の常識を打破したい!的な信念が感じられます。
本は一冊出版されていて、雑誌のスキンケア特集のようなイラスト中心の誌面で読みやすいです。
非接触皮膚科学とは
肌を傷める全てのもの(メイク、基礎化粧品、シャンプー、洗剤、抗菌剤・・に入っている刺激物質)との接触を徹底的に排除することで、すべての人の肌を美しくする方法。
「界面活性剤&抗菌剤」はとにかく全てシャットアウト。
手ぬぐいメイク落とし&洗顔、小麦粉シャンプー、ペーパータオルでの手洗いなど、徹底的に非接触を目指し、クリーニングされた衣類やホテルのシーツとの接触も避け、抗菌加工された電車のつり革につかまった手で顔を振れたのもダメ!というストイックさです。
実践者のフィードバックを重視し、具体的なノウハウが満載という意味では実践しやすいですが・・・相当ストイックです。
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また、「化粧品の専門家であると同時に、肌の専門家。」とありますが、特に「肌の専門家」として、医学とか化学系学位等の記載はありません。
3.サッポー美肌塾
発信者と設立時期
「サッポー先生」という名前で、サッフォ化粧品株式会社が提供している、スキンケアのノウハウです。
1988年設立:スキンケア教室を媒介に、代理店を通した対面販売を本旨として神戸市にて営業。
(会社概要より)
もともと、スキンケア教室を開いて化粧品を売るという営業スタイルでスタートされたようで、「自社製品を売るための情報発信」です。商品数も多いですし、株式会社で規模も大きく、新商品もボチボチ開発されているなぁという印象。
(嘘を言ってるとか、誠実ではない、と言っているのではなく、その情報が発信されている動機・目的を、いつも念頭に置いておくべきだと、私は思います。このブログもね!)
サッポー美肌塾とは
「肌は育つと、美しくなる。」
化粧品が肌をキレイにするのではなく、肌が健康で美しくあろうとするのに良い環境をつくることが化粧品の役割。
「美肌術三原則」参考メルマガ:再確認・美肌術三原則 「肌を知る」
・肌を知る (誕生・成長・完成(=死)・別れ)
・ダメージを知る (肌にストレスを与える環境を知る)
・化粧品を知る(肌が育つ環境を作る・肌が育つ邪魔をしない化粧品)
肌の仕組を真面目に学んで、こする、はがす、強いクレンジング、紫外線等のダメージをなるべく減らしつつ、保湿等で環境を整え、肌に育ってもらおう、というスキンケア理論です。「肌の育ち」「未熟な角質」等、サッポー先生がオリジナルの言葉も沢山あります。
そんな「肌を育てる環境づくり」に関するメルマガを発行し続けて639号!(2017年10月10日現在)
理論的な部分から、個別的細かいこと、トレンド情報の真偽や、他のスキンケアとの比較まで、サッポー先生のメルマガを検索すれば何かしらの情報が得られます。
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また、こちらも特にサッポー先生の医科学系の学位や資格の記載はありませんが、社員さんに専門家等がいらっしゃるかは不明です。
リアルサッポー先生と2012年に座談会をさせて頂きました→毛穴ブログ:サッポー先生座談会
4.角質培養(垢ため)
発信者と設立時期
そもそもは2006年頃に2ch(掲示板)上で蓄積された、肌断食系スキンケアの口コミ集です。
・【角質培養】美肌を取り戻せ!【垢ため?】ーまとめ倉庫ー
(過去ログは16皮目からは閲覧できましたが、古いものはCloseされているようです)
最も情報ソースが不確かで、信頼ならないものだと思います(笑)
環境も肌の状態も、価値観も違う人の、嘘かホントか分からない玉石混淆の口コミを、実践しては自分もフィードバックしていく・・というカオス。
勘違いや虚言・間違いも多いと思いますが、基本的に営業的な目的が最も少なく、リアルな体験談を得られる点はスゴイです。
「垢ため」と言われることもあり「垢を溜めれば、溜めた分だけキレイになれる。」(この考えは櫻田は間違っていると思います)と、依存というか妄信してしまって、肌トラブルにも繋がりやすい側面も。
また、忠実にこすらないを守り続けて・・・角栓を溜め過ぎてしまった方もいらっしゃいます。
・毛穴インタビュー:こすらないMさんの場合.2 衝撃角栓画像
既に「角質培養」という言葉は掲示板の外で一人歩きしていて、書籍のサブタイトルに使われていたり、櫻田のように、素人がアフィリエイト収入(記事を読んだ人が広告をクリックしたり、オススメの化粧品を買ってくれる、ことによって生まれる、ブログの収益:その情報が発信されている動機・目的を、いつも念頭に置いておくべき!)を目的に、体験談や勝手な解釈を付け加えて拡散されています。
角質培養とは
なので・・・人それぞれだし、一言じゃ言えないし・・・一言で言えば「肌の放置プレイ」ですが(笑)
保湿に関しても、基本する方が多いと思いますが、あくまで人それぞれ。どこまでこすっていいかも人それぞれ。
櫻田が思う角質培養は、こちらを参考にして下さい。
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ということで、この4つの肌断食系スキンケア理論について、保湿、洗顔方法、紫外線、オイル・・・いろいろな論点から比較して行きたいと思います。
と、いつもながら思っただけで記事が終ってしまいましたが、また次回!